観光資源としての大谷石
大谷石は、貴重な建築素材であり、今日の宇都宮市の貴重な観光資源ともなっています。現在では、大谷石そのものの活用を含め、周辺の歴史的・文化的な見どころや自然景観をたっぷり楽しめるようさまざまな取り組みが展開されています。
大谷石細工
大谷石が採掘される大谷地区には、採石や加工を生業とする人たちが数多く暮らしており、その加工技術は長い歳月にわたって地元で伝承されてきました。そうした環境の中、耐震性や耐火性に優れているだけでなく、石質が柔らかく加工しやすい大谷石は、建築素材から発展して細工物としても活用され、大谷石の素朴な風合いを生かした庭の置物や民芸品などの「大谷石細工」が生まれました。日本風の庭の中に大谷石のかえるの置物がちょこんと置かれている風景などは、よく目にするところです。そのほかにも、灯篭や灰皿、植木鉢、水盤など和風の佇まいに似合う素朴な風合いのたくさんの商品が生み出されてきました。さらに、最近は伝統的な技法に現代的なセンスを加えて、一輪挿しなどの新しい工芸品も考案され、インテリアなどとして重宝されるようになっています。
石の里・大谷の観光
大谷には、「大谷石体験館」「大谷石あかり館」「河内屋奇岩体験館」などの施設があり、気軽に彫刻や絵を描く体験が楽しめ、自分だけの作品作りに挑戦することができます。初心者でも加工がしやすい大谷石の特徴を活かした取り組みです。各施設ともあらかじめ申し込んでから訪ねるようにしましょう。大谷石や大谷地区を観光として盛り上げようと、毎年秋に開かれているのが「フェスタin大谷」です。大谷景観公園を会場に、ステージショーや大谷石体験コーナーなど、にぎやかなイベントが繰り広げられ、大勢の来場者でにぎわっています。「石の里・大谷」の魅力を余すところなく感じることができます。
関東自動車は路線バスを使った「大谷観光1日乗車券」(大人1600円)を販売しています。「JR宇都宮駅~大谷(立岩)」間が1日乗り降り自由となるほか、大谷資料館の入館券と大谷観音(大谷寺)の拝観料が入っているので、お得に楽しく大谷観光を満喫できます。チケットを提示すると地元の大谷地区をはじめ、市内のいろいろな施設のサービスが受けられる特典もあります。